動物病院の経費の予算のたてかたのポイントご紹介

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動物病院は売上だけでなく、経費にかかわる予算も考えていかなければいけません。売上目標はたてやすいけれど、経費の目標はどうやってたてていくのかよくわからないのではないでしょうか。経費の目標の立て方のポイントをお伝えします。

 

経費は支出だけではない

動物病院の経費は、実際のキャッシュでの支出だけではありません。減価償却費は、資産を購入した年度に一括で経費になるわけではありません。使用目的によって、耐用年数が決まっており、耐用年数分の期間でかかったコストの総額を按分して、毎年費用化していきます。医療機器の耐用年数は用途によって3~10年です。
ですから、200万の医療機器を導入したとすれば、キャッシュによる支出は1年目のイメージですが、動物病院の費用として、数値化するのは何年かかけて行うことになります。
経費の中で、減価償却による費用は固定費用となります。ほかにも固定費用はあります。

 

借入金や融資も固定費用

動物病院によっては、テナントで家賃スタイルの場合と、土地建物スタイルの場合があります。テナントの家賃はキャッシュです。ですが、土地建物の場合は、ローンを組みます。土地建物のローンもテナントの家賃も、毎月一定額のキャッシュによる支出ですので、固定費用となります。また、書籍の定期購入、会費など毎月一定の固定の支出も固定費用としておきます。

 

経費の予算は固定費用を差し引いた額を目安に

減価償却費、家賃や借入金の返済、その他の毎月の一定の支出などの固定費用以外の光熱費、交際費などは、変動費用となります。経費の予算をたてる目的の大きな1つには、変動経費を使いすぎていないかをチェックすることも入っています。
ちなみに、経費とは、税金用語であり費用とは会計用語です。キャッシュで払うことは支出といいます。
・支出は必ず費用となるとは限らない
・費用は必ず経費になるとは限らない
・目標は固定経費、変動経費をつくること(売上がある場合)
・目標は変動経費を節約すること(売上がない場合または少ない場合)そして、あらかじめ設定しておいた固定経費の見直しをすること
となります。

 

経費の予算は売上予算と固定費用をまず決める

経費の予算は売上予算を決め、そこから固定費用を差し引いた額となります。固定費用の中でも、キャッシュによる支出ではない減価償却費については、固定費用からあらかじめ差し引いておきましょう。このとき、もう一つ重要なことがあります。
・売上予算-固定費用-変動費用>家賃や借入金の年間キャッシュによる支出
つまり、動物病院の利益で、家賃や借入金の支払をしていくというイメージです。ですから、あまりにも変動費用を多く設定しすぎると、返済額を残せないことになるので要注意です。変動費用以外の金額は、あらかじめ設定できるものばかりなので、差額が経費の予算額の重大要素となります。変動費用がわかれば、変動経費と固定経費を合計したものが費用の予算となります。

 

人件費は全体の2割以上にならないようにする

従業員の人件費は固定資産の1つです。人件費はキャリアをつむと上げる必要があります。ただ、費用全体に占める割合を1.5~2割以上にならないようにすることが必要です。2割以上になるなら、より売上の予算をあげていかなければいけません。
 

まずは売上予算を設定~返済可能な借入額でおさめる

テナントであれ土地建物であれ、売上高は開業してからわかることです。テナントや土地建物、人件費などの固定費用に見合う売上予算を予想し、実現させていくことこそ、経費の予算も意味があるのではないでしょうか。

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