動物病院の経費削減はどうやってしていくの?ポイントご紹介

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動物病院を開業して、まもない頃は経費と費用のちがいや、経費をどうやって削減していくかが課題です。動物病院の経費の削減についてのポイントを売上との関係させながらお伝えします。

 

支出・費用・経費のちがいって?

開業1カ月目の動物病院によっては、ペットがほとんど来院せず、数か月がすぎることもあるようです。また、1年目は経営計画の目標金額に達成しないことも。経費削減の前に、経費と費用のちがいについてお知らせします。
・経費と費用~どちらも同じ金額のことをいっている
・費用は会計用語、経費は税金用語
もう少しイメージを膨らませていきます。動物病院の1日の業務を無事終え、帰宅する途中だったとします。帰り際に美味しそうなアイスクリームがあったので、3つほど購入しました。このとき支払ったお金は支出ですよね。

・支出は費用になるとは限らない
→会計基準を満たす支出しか費用にならない
→動物病院にかかわる、お金の支出しか費用にならない

・費用は必ずしも経費にならない
→税法をみたす名目の費用しか経費にならない
動物病院はなぜ費用を増やそうとしているのでしょうか?それは、少しでも税金を少なくするためです。つまり、目標は経費と認められる費用をふやすことです。経費と認められない費用を増やした場合、損益計算書や貸借対照表には費用として計上できるものの、利益は減るだけで、税金は減らない状況になります。
そうなると、経営成績である利益が少なくなるという現象だけが起きることになります。
 

売上げが目標以下の場合またはほとんどない場合

動物病院の費用を増やすのは、売上げが伸びてからのことです。税金は売上げに応じて増えていきます。売上は経費と相殺できるので、経費と認められる費用を増やせば売上額が下がります。そうなると税率も低くなるので節税につながります。
ですが、売上げが少ない場合や、ほとんどないばあいは、費用を増やし赤字経営にもっていくのは危険です。売上げがないと単なる費用の増大となり、損失となり、経営成績だけが悪くなるからです。
そこでおすすめは、費用の削減です。小さなことから始めていきましょう。ですが、ケチってしまうとラグジュアリー感のない動物病院は好感度が下がってしまいます。それは損なわないように、費用をこっそり削減していきます。

・完全予約制にする
予約制のメリットは、予約が入っていない日について、院内の光熱費を落とし節電することもできるからです。急患のときは、待ってましたとばかりに院内が明るくなります。

・受付の雑誌をゼロにし、ペーパーレス化。タブレットのアプリの定期購読にする。予約人数分だけのタブレットを準備
→完全予約制にしておけば、急患をはぶき、タブレットが取り合いになることはありません。もちろん、防犯のための対策は必要です。雑誌購読よりも、読み放題のアプリのほうが、月額制でかなりコスト削減となります。また、雑誌の差し替えなど無駄な時間の節約にもなります。タブレットを持ち運びする間に、落としたりする危険性を感じられる場合、立ち読み型や、固定型にするなどし、タブレットを固定しておくのも1つです。固定型の場合、ソファ型の待合椅子ではなく、丸型の椅子にし、横に少し高めの台をセットしておき、そこへタブレットを備え付ける形にするのがいいでしょう。材木屋さんにセットで発注すれば、割引してつくってくれるサイトもあります。材木をひのきなどにすれば、院内の森林浴効果にもなります。

・医療機器は買わないようにする
→医療機器は一台数千万もするものもあります。10万円以上する医療機器は、売上げが少ない間は購入を控えるようにします。売上が見込まれるようになれば、医療機器を経費とし、売上額をさげる節税ができるからです。

・取引先とはライン電話
→仕入先などの電話のやりとりは、ラインの無料通話にきりかえます。

・来院してくれた飼い主さんにもライン電話での予約をすすめていく
→こちらから定期的なDMやワンちゃんなどのペットの様子をうかがう電話もライン電話に切り替えることで、通信費の削減となります。

・LED電球にする
→LED電球は寿命も長いので、蛍光灯の取り換えの時間も削減できます。また、明るいこと、すぐに明るくなるなど白熱球よりもメリットが多いようです。

 

売上げが十分見込まれるときは経費削減よりも経費増大策を

売上げが伸びれば、税金も増えます。そこで売上げを削減するために、社員旅行で福利厚生費をつくったり、事務員を雇用して業務の効率化をはかり、人件費を上げて費用にしたりすることができます。その場合、白色申告者から専従者給与を経費にできる、青色申告者になっておくこともポイントです。

・設備投資をする
→青色申告では、設備投資額という費用が売上を上回る時、赤字を3年間繰り越すことができ、売上げの発生した年は、売上げを減らす経費として相殺できます。つまり、設備投資をした年度から、3年間の売上が見込まれると判断すれば、設備投資をすべきでしょう。MRI機器は高いですが、CTではわからない歩行障害、意識障害はじめ、内臓疾患も診察可能になりますので、さらに宣伝効果が高まり信頼を得ることができるので集客につながります。
 

状況に応じた経費削減を

まずは売上げを増やすことに専念することです。それまでが経費削減期間だと思えばいいでしょう。売上げが本格的に伸びてくれば、今度は経費をたくさんつくる目標にきりかえです。

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