【動物病院】経費と損金のちがいを知っておきましょう

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会計処理をしていくと、似ているのに微妙に使い分けられている言葉が出てきます。
経費と損金もそんな用語の一つです。
ちがいを知っておくと、課税額計算のときに差し引くことが出来ない理由も理解できます。
経費と損金の意味の違いと、扱い方についてお話しましょう。

 

■経費と損金の違いとは?

経理・記帳には、ざっくりいうと2つの目的があります。
①動物病院の正しい経営成績と財産状態を知るため。
収益を得るために必要とした額『費用』を差し引いて、利益がどれくらい出たか計算します。
会計上の処理では、『費用』という言葉を使います。
②公平で適正な税負担の判定のため。
一方、法人税課税額を出すときには、①の会計処理で『費用』としたものが全て差し引けるわけではありません。差し引けるのは『損金』として認められているものだけになります。
経費とは:会計処理上の言葉。利益を得るために必要なお金。
損金とは:税務処理上の言葉。費用の中で、法人税上必要経費として差し引くことを認められているお金。
法人税法の中では、“公正で適正な税負担”が掲げられています。
交際費、役員給与、保険料、減価償却費は、『損金』にできない場合があり、会計上の経費とは扱いが変わってくるのです。
・会計上のイメージ ⇒ 収益 ー 費用 = 利益 
(費用=経費)
・税務上のイメージ ⇒ 益金 ー 損金 = 所得 
(損金は経費の中で条件をクリアしたもの)

 

■こんなときは損金計上にご注意

例えば、法人として経営していて法人税節税のため、経費を多くあげて調整しようと考えたとします。
・役員にボーナスを支給して費用を大きくする。
・高額資産の購入で、減価償却費を大きくする。
・保険料で費用を大きくする。
こんな場合に、その費用を差し引いた額で課税額を判断すると、不公平感が出てしまいます。
法人税法上では、費用として認められない⇒損金として計上できない…ということになります。
損金については、同じ飲食費でも、一緒にいたメンバーや使われ方によって扱いが変わるなど、判断が難しい場合もあります。
税理士に相談して申告ミスがないようにしておきたいですね。

 

■経営体制による違いも税理士に相談

法人税法では、会計上費用でも、損金にできない部分があることがわかりました。
事業規模によって個人事業か法人経営にするか悩むところです。
事業の売上が900万円を超える場合には、個人事業主の場合、税率が10%高い33%に跳ね上がります。
また、売上が1000万円を超えると消費税も発生してきます。
1800万円になると税率40%ですから、半分近くを税金として納める事になります。
動物病院開業のときには、税理士に経営体制について十分相談しながらすすめる必要がありそうですね。

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