動物病院の運営には、検査機器、事務用機器などが必要ですが、購入すると高額になるものも多く、起業時の支出額を大きくしてしまいます。
リースでも、必要経費として税額控除出来るならリースを利用する方法もあります。
高額機器をリースで使うことの税額へのメリットを考えてみましょう。
■高額機器は購入かリースか?
医療機器は高額になり、購入するとしてもローンや融資借り入れで資金を調達するケースが多いものです。
業者との交渉で、調達済みの資金から一括払いとなれば、値引きしてもらえるかもしれませんね。
ただ、自由になる資金は減り、手持ちの運転資金が少なくなってしまいます。
一方、リースの場合には、数年に渡っての費用を比較すると、購入よりも割高になる場合も考えられますが、ローンを組んで購入する場合と比べると、利息分が加わりますから、支払いの総額やメンテナンスを考えると極端な差がないかもしれません。
リースでは、入れ替わりの激しい電子機器類では、数年単位での入れ替えが必要なこともありますし、リースを利用することで、常に最新機器を利用しやすくなるというメリットもあります。
■税額控除の面ではどうなの?
青色申告を行っていた場合には、30万円まで一括経費に出来ます。(平成30年3月3日まで)
それ以上の額の機器購入になれば、減価償却、固定資産税の対象になります。
数百万円の機器を導入しても、一度に数百万円の経費がその年の経費として認められるわけではないのです。
現金は一度に数百万円支出されているのに、経費として税額計算の控除に含められるのは1/4~1/6の200万円前後となります。
手元の資金がガッツリ減って、心もとない思いをしてるのに、減価償却で処理しなければならないのです。
その上、減価償却で処理した高額固定資産は、固定資産税の対象になります。
リースの場合には、毎年の年間のリース料金がそのまま経費となるだけです。
リースなら、減価償却の事務作業も、固定資産税もありません。
(参考)『国税庁耐用年数(器具・備品)(その2)』
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34359.php
■自由になる資金をある程度残して経営する
利息がもったいないから、できるだけ現金払いにしたいとこだわる方もいらっしゃいますが、病院設備では、新しい機種をいれて、すぐに爆発的に収益が大きくなるわけではありません。
出ていくお金は増える見込みなのに、収益の伸びは鈍いということが考えられます。
物によっては、リースで新しい機種に常に入換えするという考えも悪くありません。
キャッシュフローを税額控除のメリットとあわせて判断する必要があるのです。
高額機器を導入するときには、税理士に相談してみましょう。