動物病院の経営において避けては通れないのが税金の納付。そして税金の金額を決めるためにやらなくてはならないのが確定申告です。確定申告の際に節税できる方法があれば実践したいもの。
「節税=手元にお金が残る」ということで、節税も動物病院における立派な経営戦略なのです。
個人事業主が納める税金には、所得税、個人事業税、個人住民税、印紙税、消費税などが該当します。この中で最もポイントとなるのが所得税です。
○確定申告は白色申告でなく、青色申告を選択しよう
確定申告において、今まで白色申告を選択していたのであれば、青色申告へ変更します。これにより様々な節税効果を得ることができます。まず、白色申告から青色申告へ変更するだけで課税所得から最大で10万円が控除されます。
さらに、複式簿記での記帳に加えて、確定申告の際に「貸借対照表」「損益計算書」の2つを税務署に提出することができれば最大で65万円の控除が受けられるのです。最近ではコンピュータが発達し、わかりやすい会計ソフトも販売されているため、帳簿への入力も慣れれば手間がかかりません。
○青色申告を選択すれば、赤字分を繰り越せる
個人事業主で青色申告を選択すれば損失をした場合、つまり利益が出ずに赤字であった場合に確定申告することにより、翌年から最大で3年間、黒字金額から赤字分を差し引くことが可能です。よって、翌年の利益から前年の赤字分を差し引いて申告することができるため利益が縮小して節税になります。
創業した当初によくある開業時に赤字を出し、その翌年は黒字になったというケースにおいて役立つでしょう。また、今年に赤字を出してしまい、前年も青色申告を選択している場合は今年分の赤字を前年へ繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができます。
○家族を動物病院の専従として雇った場合に節税できる
事業主の家族を動物病院の専従者(青色事業専従者)を雇うことができ、専従者への給料を経費にすることができます。その給料分だけ課税所得が少なくなるため節税となります。なお、この青色事業専従者とは、青色申告者をする動物病院の事業主と生計を一にしている配偶者やその他の親族でなければなりません。
年齢は15歳以上で、青色申告をする事業主がしている事業にその年を通じて6月を超える期間において専ら従事している人です。注意点としては、青色事業専従者として給与を受け取る場合には、控除対象配偶者または扶養親族になることはできません。また、この届出書は事業専従者を雇った日から2カ月以内に提出しなければなりません。