「白色申告」「青色申告」どう違う?どっちがいいの?

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動物病院を開業して事業所になったら、毎年確定申告を行います。

この時の申告の仕方には「白色申告」と「青色申告」があり、どちらか一方を選びます。

複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書の提出を必要とするのが「青色申告」で、複式簿記の記帳を必要とせず、国税庁所定の用紙に記入することで申告を行うのを「白色申告」と言います。

「青色申告」は、正しい所得や所得税、法人税を計算して申告する方法なので、いくつかの特典があり、その特典を活用することで、税金の負担を削減できる申告方法と言えます。

開業の時に、申告方法をどちらにしようか迷ったら、基本的には「青色申告」をおすすめします。

■ 青色申告に必要な「複式簿記」と「単式簿記」の違い

通常、会計処理や経理の仕事をしていると「複式簿記」「単式簿記」という言葉を知る必要もなく、自然に「複式簿記」を使っています。

「単式簿記」は、家計簿のような書き方になりますが、何にいくら使ったから残高は〇〇というようなイメージになります。

「複式簿記」は、何をいくら使ったから経費はこれだけになって、現金がいくら減って〇〇になったというようなイメージで、家計簿に2つの明細を作っている感じです。

●単式簿記

取引を1つの科目に絞って記載する方法で、収入合計から支出合計を引けば残高が分かるので、たいへん簡単で簿記が分からなくても計算できるのが特徴です。

しかし、単式では財産(金銭)がわかりにくく、経費を支払ったのはわかりますが、現金が減っている事が記載されないので実際の経営状態が掴みにくくなります。

●複式簿記

単式と異なり、経費を支払った時に現金で支払いしたことが分かる「経費科目」と「現金」で仕分けするので、経費と現金の双方の残高が把握できます。

簿記は、勘定科目と仕訳でお金の流れが分かるようになっています。

■ 青色申告特別控除と特徴

「白色申告」は、1年の売上合計から必要経費を差し引いて、所得金額を計算し、その後各種所得控除を差し引いて課税所得を出して、税率を掛けて所得税の納税額が割り出されます。

「白色申告」に特別控除等はありません。

「青色申告」の特徴は下記のようになります。

① 「青色申告」は複式簿記の記帳をもとにして、貸借対照表と損益計算書を期限内に提出した確定申告書に添付すれば、最高で65万円の控除(青色申告特別控除)が受けられます。また、簡易な帳簿の記帳でも最高10万円の特別控除の適用を受けることが可能になります。

② 動物病院の院長の他に、病院スタッフとして奥さんやお子さん(15歳以上)が働いている場合、支払われる給料が適正であれば、その給料の金額を必要経費に参入することが出来ます。(青色事業専従者給与の必要経費算入)

③ 事業で生じた純損失を翌年以降の3年間、各年分の所得額から差し引くことが出来(純損失の繰り越し)、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰り越しの代わりに前年分の所得額を戻して控除し、還付を受けることも可能です(純損失の繰り戻し)。

■ 確定申告の仕方で納める税金が節約できる!

「青色申告」によって、税金の負担に大きな差が生じます。

特別控除や特典を知らずにいると、言い方はよくないかもしれませんが、無駄な税金の納め方をしていると言えます。

開業後初めて確定申告する動物病院の院長は、良く知らずに税理士の言いなりに動くことも有ります。

院長自身がよく税金の仕組みを知って、正しい税務処理、正しい税金の納め方をするように勉強しましょう。

税理士に質問できるようになると、税理士も一生懸命になります。

獣医師他スタッフ全員が一丸となって得た収益を、正しく生きた使い方をしたいものです。

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