動物病院が抱える税務処理のリスク!

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どんな会社や事業所でも会計や経理事務には、お金を管理するという責任が付いて回ります。

現在は、パソコンに会計ソフトを導入すれば、わざわざ伝票を記入したり帳簿に記入したりする必要がありません。

インターネットで税理士と会計ソフトを共有すれば、入力は動物病院で行い、精査や月次の締めなどは会計事務所で出来るという、便利で時間を掛けずに正確な経理処理が出来るようになりました。

しかし、パソコンの中にデータは記録されていても、獣医師の院長がサッと帳簿を見て、入出金残高や収益を見ることが出来た以前と異なり、パソコンを操作しなければ数字が出ないことが、返って面倒に考える人も多いのです。

■ 会計や経理事務は税務処理(税務申告・納税)のためにある

毎日の会計や経理事務は以前よりもかなり簡略化され、多少の金額の間違いや勘定科目の間違いは、大した問題では無いと考えられています。

「経理たるもの1円たりとも間違えるな」と言われた時代は、遠い昔になりました。

現在の考え方は、100円200円の間違いをとやかく言うより収益を増やせ、勘定科目を事務費と通信費で間違えても同じ経費だから問題ないと解釈されるようになっています。

正確さを要求されるのが経理ですが、その正確さも修正できるパソコンの会計ソフトになれば、大した時間もかからず、伝票の無駄も無く、帳簿の訂正もいらないのです。

経理や会計の税務処理は、当然経費と収益の割合を性格に掴むように仕事しなければなりませんが、行く先は決算時の数字のため、「税務申告と納税」の為に毎日があるのです。

この毎日の会計・経理の仕事で一番大変になっているのが、「現金管理」です。

多くの動物病院は、治療費を現金でやり取りしています。
診療1件で数千円~検査まで行えば1万円を超過し、1日に動くお金は数十万円になると思われます。
この現金処理こそが、動物病院の税務処理の大きな「リスク」になっています。

■ 事務所のお金と個人のお金…税務処理のリスク

現金を多く扱う動物病院では、パソコンの会計ソフトとレジスターが連動した商品を導入しているところもありますが、パソコンで診療費明細を出して、レジスターはあくまでも現金管理として使っているところも多いのが現状でしょう。

小規模動物病院では、獣医である院長と受付スタッフの奥さんで開業しているところもあります。

夫婦で病院のお金を管理することになるので、おつりが足らないと個人のお財布から少し補ったり、仕事の途中で家庭内の商品の宅配が届いたりすると、レジの中から一時的に使用するということも有りえます。

こうなると、家庭のお金と病院のお金がキレイに分けられていない事から、税務調査が入ればすぐに「金銭にルーズな病院」というレッテルをつけられて、税務調査を徹底的に行われることになってしまいます。

税務処理で現金の区別がついていない事は、税務上リスクが大変大きいと言えます。

■ 税務上のリスク回避の為に

現金は毎日の収支と合わせなければなりません。

毎日合っていて当たり前の現金に、誤差があるということは必ず何らかの間違いが生じている事になります。

誤差が生じるリスクを回避するには、現金扱いが少なければ良いのです。

クレジットカードを会計に使えるようにしている動物病院も増えてきましたが、まだまだ個人の事業所では多くありません。

クレジットカードでの支払いが出来れば、現金を多く院内に保管しなくても良いので、安全上のリスクも軽減できて、間違いも減少します

クレジットカードでの支払には、病院側がクレジット会社に手数料を収めなければなりません。
少額とはいえこの手数料を嫌って、現金処理を続けているところが多いのです。

しかし、安全面でのリスクや税務上でのリスクが考えられるので、税務監査で目を付けられる前に、現金取引の結果としてどんなリスクが考えられて、問題がどこにあるのかを税理士は指摘して指導する必要があるでしょう。

同時に自計式の会計システムの便利な使用の仕方と、無駄な時間の削減になる点を院長に理解してもらう事も大事になります。

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