【動物病院】経費と減価償却を考える

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貴方が動物病院の経営をする、もしくは、もうしているのであれば、減価償却という言葉を聞いた事があるかもしれません。
しかし、それでもまだまだ税金にどれだけのプラスをもたらしてくれるのか知らない人の方が多いのではないでしょうか。
今回はこの減価償却費についてお話していきます。

 

◆減価償却は資金繰りの突破口

動物病院はとにかく設備投資が多額になります。
恐らくどんな業種よりも大きいのではないでしょうか。
数百万どころか特殊な機材を入れる病院であれば数千万円は下らないでしょう。
更には、郊外で病院を構えるような方であれば、土地も買って、建物も建ててしまえ!と言った感じで建てていく人も少なくはありません。
そうするとかなりのコストがかかってきますね。
これ等の経費をまとめて固定資産税と言いますが、今、お話した機材や建築費などの費用こそが減価償却によって経費へと変わっていくのです。

 

◆利益が多い事が良いとは限らない

例えば、1億円の医療器材を購入したとしましょう。
これを減価償却することを考えてみます。
4年と10年で検討してみます。
今回は、減価償却には定額法や取替法など様々な方法がありますが話がまとまらなくなるので今回は単純な計算(定額法)で分かりやすく見ていきましょう。
まずは4年からです。

収益1億円
経費6000万円
減価償却費2500万円
税金500万円
利益1000万円
と、このようになったものが4年間で償却されると、

収益1億円
経費6000万円
税金500万円
利益3500万円
となります。あれ?と思う方もいるでしょうが、もっと分かりやすくするために次へと進みます。

10年間で償却の場合
収益1億円
経費6000万円
減価償却費1000万円
税金1200万円
利益1800万円
こちらを計算すると?

収益1億円
経費6000万円
税金1200万円
利益2800万円
となるのです。

4年と10年で比べてもらうと非常に分かりやすいですね。
利益の多い方が資金繰りはいいとは限らないという結果なのです。
設備投資が大きくなる動物病院は減価償却が大きい方が得なのです。
では、この減価償却の計算の元となる耐用年数はどのように決めればいいのでしょうか?

 

◆計算方法を覚えておこう

先ほどの耐用年数においては詳しくは国税庁のホームページを見てみましょう。
何分量が多いため、ここでは割愛します。
では、その耐用年数を調べたら次に行うのは計算です。
先ほどは定額法で計算したものの、減価償却費にはたくさんの計算方法があります。
その中でも動物病院に関しては主に定額法と定率法の2つを覚えておきましょう。
定額法=固定資産税×償却率
定率法=固定資産の未償却残高×償却率×2
償却率=1÷耐用年数
と、このようになっています。
ちなみに建物は定額法、その他は定率法での計算になることは覚えておきましょう。
また耐用年数は最短で3年、最長で15年となっていますが、「一番得になるものは最短の3年」です。
それぞれの減価償却費の計算の中で常に最短の耐用年数で計算し考えていくと今後の資金繰りが改善できるでしょう。
減価償却ってとても重要な考えですね。

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