○動物病院の成功は立地が重要
動物病院の個人開業においては開業する場所、つまり立地が動物病院を経営していく上で成功のカギを握っています。まずはターゲットとする地域にどれだけの人口があり、ペットを飼っている人がどの位いるのか、といったデータを集めることが先決です。
これはコンサルティング会社、不動産業者や動物病院向けの機器を販売している業者などに依頼をすれば容易にデータ収集をする事が出来るでしょう。このデータは1社からだけではなく、できれば2社以上からデータを収集して比較・分析をしていくことが理想です。
これは、不動産業者であれば動物病院にテナントを貸している物件や新たに新築した物件の数からデータを出してくれたり、動物病院向けの機器を販売している業者であれば、機器を卸している履歴やメンテナンスに行っている件数からデータを出してくれるはずです。
この様に、それぞれの持っている情報が違うため、データに偏りが生じてくるため、複数からデータを取り寄せる必要があるのです。このデータが載っている調査書は1社数十万円という費用が掛かります。
大きな出費ではありますが、動物病院の経営が成功するのか、それとも失敗するのかを左右する重要なファクターですので、ここで出し惜しみをせずに出来るだけ多くの情報を得るようにしましょう。
○調査書から見えてくるもの
調査書が届いたら、そのデータから動物病院の経営にふさわしい立地を探すための戦略を考えていきます。まずは来院が見込まれる地域において、人口が多いかどうかという点です。
人口が多い都市圏が良いという訳ではありません。当然ながら都市圏には競合となる動物病院もたくさん開業しているため、人口という1つのデータだけでは立地を決める決定打とはならないでしょう。
また、現在の人口だけでなく人口増加率も考慮するべきです。今はそこそこの人口であるが、将来的に人口が減ってくると予測される地域では開業する立地としては好ましくないでしょう。
基本的には動物病院が多い地域には開業することは避けるべきです。ただし、競合する動物病院があったとしても、事業主が高齢で近い将来に閉院するという場合もありますし、既存の動物病院はあまり人気がないという事もあるでしょう。このようなケースでは競合する動物病院があっても、開業して集客を見込める可能性もあります。
よって、ターゲットとする地域にある動物病院がどの様な病院なのかという情報を仕入れておくとよいでしょう。情報収集のために、開業前にその地域の獣医師会などに顔を出しておくことも有効です。