開業費は任意償却を選択して節税効果を得よう!

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動物病院の開業を始めるにはさまざまな費用、すなわち開業費が必要となります。動物病院は事務用品だけでなく、治療設備が特殊ですので、多大な費用が必要となります。この開業費は毎年発生する経費とは異なり、開業した年に全額を経費として計上するのではなく、その支出した効果が影響する期間にわたり計上しなければなりません。(繰越資産といいます)


この繰延資産は固定資産の減価償却のように償却によって費用計上しますが、この方法には「5年で均等償却」と「任意償却」という2パターンから選択できるため、うまく活用すれば節税効果を得ることができます。
一般的には均等償却が選択されますが、まったく開業費を計上しない年や、あるいは全額を計上する年があってもよいとされています。下記に詳しく説明します。

 

①5年で均等償却

固定資産の減価償却でも使用されますが、費用を5分割して償却していきます。例えば、1000万円の開業費であれば5年間で毎年200万円ずつ計上するという方法です。
この均等償却は節税効果を得られにくいため、おすすめしません。

 

②任意償却

開業費を任意償却で計上すると自分の都合のよいタイミングで費用を計上(償却)することができます。具体的には、開業した初年度は売上が少なく経費が多くなることがほとんどでしょう。
すると利益が少なくなるために課税額も低くなります。よって、初年度は開業費の償却を見送ります。そして開業2年目以降に利益が多くなった年に費用を計上することで課税額を抑えることができるのです。
まとめると、開業から1年目以降の利益が高い年に開業費を計上することで節税効果が得られます。
この開業費の任意償却については5年後でも、その先でも都合のよいタイミングで計上してOKです。ただし、開業費として計上するためには領収書など「開業として支出した」という証拠が必要であるため注意しておきましょう。

 

○開業費に含まれる費用

動物病院の開業にはさまざまな費用が発生します。どの費用が開業費に該当するのかを事前に確認しておきましょう。下記に開業費に該当する例を紹介します。
●病院の工事費
●土地や建物の賃料
●保険費用
●治療設備費
●備品の調達費
上記以外にも下調べに利用した交通費や関係者との接待費など、開業に関して支出したこととして証明できれば開業費と認められます。しかし、費用として大きなウエイトを占める人件費は開業費として認められないケースもあるので、税務署や専門家に相談してみましょう。

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