動物病院を開業するときは、診療や治療、手術や検査に必要な高額医療機器が幾つも必要になります。
仕事に必ず使用しなければならないものなので、何とか揃えなければなりませんが、すべて新品購入すれば莫大な費用が掛かります。
そこで、新品でなければいけないもの、中古の手頃なもので使用できるもの、高額すぎるのでローンを組んで分割払いする必要があるもの、メンテナンスが常に必要になりそうなものはリース契約するなど、入手方法を検討することが後の税金に影響することになります。
■ 入手方法と支払方法
なくてはならない医療機器、どうしても欲しいものですが、高額なものになれば数千万円という機器もありますから、すべてを現金購入するのはとても出来ません。
入手方法は3通り考えることが出来ます。
① 新品を購入する・・・現金払いとローン(分割)
② 中古品を購入する・・・現金払いとローン(分割)
③ リース契約する・・・メンテナンス無し、メンテナンス有り
金銭的な問題がなければ、一番の理想は現金で購入することです。
現金購入すれば固定資産になり、経費で減価償却していく方法で、経費を数年に渡って分割することができる為、節税になります。
しかし、高額すぎてすべて新品という訳にはいきません。
中古品が入手出来ればかなり安価になりますが、欲しい機種が運よく手に入るとは限りません。
節約する為の中古探しは、できるだけ早く行動することが大切です。
開業までに見つからず、結局新品を手配することになりかねません。
中古品の場合も使用年数や機器によって、耐用年数は変わりますが、減価償却することで節税につながります。
現金購入の他にローンの分割払いがあります。
しかし、ローンは毎月の支払額は少なく感じられますが、金利がかかる為総額にすればかなり高額になり、後々の負担が重くなってしまいます。
■ リース契約のメリット・デメリット
高額医療機器を業者とリース契約すれば、毎月のリース料は経費処理することが出来ます。
現金一括払いと比べても初期費用を大幅に削減できるメリットがあり、新品を使用する事が出来ます。
機器を所有しているのではなく、借りているので固定資産になりません。
その為、固定資産税の負担が無いのもメリットと言えます。
リース契約には、本体のみの場合と定期的なメンテナンス込みでの契約があります。
リース料は少し高くなりますが、メンテナンス込みで契約する方が、不慮の故障や不具合が生じてもお金がかかる心配がいりません。
リース料を安く抑える為に、メンテナンス無しの契約をすると、修理が必要になった時に出張費や修理代が高額になる場合があります。
リース料はローンを組んで購入する場合と、毎月の支払金額はあまり変わらない事もあるので、「同じ支払いをするなら、支払いが終われば自分のモノになるローンにすれば良かった」と思う場合もあります。
リース料を払い続けても、病院のものにならないのがリースのデメリットと言えるでしょう。
■ 資金計画と予想収益で慎重に決める!
医療機器なくして動物病院の開業は出来ません。
どの方法で機器を入手しても、一長一短あります。
掛かる資金は、建物や土地などの大物から小さな備品まで含めた詳細な資金計画を立てて、開業後の収益予測を含め、税理士に分析してもらったり、開業支援を受けるなどして、どんな方法を取るか、慎重に決めるようにしましょう。