動物病院開業の経費はどのように見積もれば良いのでしょう?
病院施設の確保から、診療が始まってからの運転資金、収益と税金や融資返済のバランスなど考えなければならないことが色々出てきます。
開業にかかる経費と、事業計画についてお話しましょう。
■開業にかかる経費について
『病院施設の確保』
・テナント物件の賃貸
内装費用、敷金・保証金が必要です。
人通りの多いショッピングモール内などでの開業が可能になりますが、立地が良ければ集客が見込めますが、家賃も高くなります。
・物件購入+リフォーム
購入費用には仲介手数料や登記手続費用、ローンを組む場合には保証金など、物件価格の1~2割程度の費用がかかります。リフォームを掛ける必要がありますが、立地、建物の構造ともに動物病院開業に向いた物件があれば、経費を抑えることが可能です。
・新築
土地購入費、仲介手数料や登記手続費用、建築費、ローンを組む場合には保証金がかかります。
住宅面積が50%以上で自宅との併設ならば、事業ローンより金利が安い住宅ローンが使え、家事按分で経費を処理するなど節税メリットがあります。
規模や立地、集客見込みなどの条件、確保に必要な経費がどれくらいかかるのか試算して検討しましょう。
『医療機器・備品』
レントゲンや診療台、ペット宿泊施設、内装設備など。
高価な医療機器はリースや、リース落ちの購入なども検討しましょう。
『広告宣伝』
看板設置、Webページ運営、チラシ配布、内覧会費用や粗品代など。
■事業計画の立て方は?
開業にかかる費用の他に、開業してからどんな経営状態を目指していくのか、どれくらいの集客が見込めるのか、事業計画をたてて経営にあたります。
この計画が綿密であればあるほど、融資の交渉がスムーズに行きますし、実際の経営が始まったあとの資金繰りも安定しやすくなります。
どんな項目について設定していくのかまとめてみましょう。
① 売上高:「客単価×1日当たりの客数×月の稼働日数」
*客単価は6000円前後、年間利用者数2000人程度が目安となるでしょう。実際の条件からふさわしい内容を割り出します。
② 売上原価(仕入金額):売上の20%程度。
③ 粗利益:①売上高-②売上原価
④ 経費:地代家賃、人件費、消耗品費、リース料、広告宣伝費、交通費、通信費、資料研究費、雑費など。
⑤ その他費用:借入金の返済や生活費の予想額
⑥ 当月収支:③粗利益-④経費-⑤その他費用
⑦ 運転資金残高:前月の運転資金残高+⑥当月収支
毎月の支払いが、その月の収入でまかなえているかチェックし、運転資金が減少するなら経営方針の見直しが必要になります。
3年単位くらいで、税金の支払いも含めて収支がまかなえるように設定していきます。