動物病院開業当初は個人事業での税務署届出が有利

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動物病院を新規開業する時、当初から従業員を何人も雇用する大きな動物病院はそれ程ありません。
院長(獣医)とその家族、パート従業員1~2人の動物病院の開業は、個人事業として税務署に届出する方が税法上有利になる事が多いので、税金対策と無駄な経費を掛けない方法を税理士と相談しながら開業の届出をしていきましょう。

■開業当初は個人事業が有利な理由

新規開業する動物病院のほとんどは、院長とその妻、パート数人の小規模経営です。
開業当初従業員が5人以下の場合は、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務がなく、所得税や住民税の納税も、開業当初は利益よりも経費(設備投資など含め)が多いことから、ほぼゼロとなる事が多い為、法人として届出するよりも経費、税金の面で個人事業の方が有利になります。

個人事業でまず開業して、経営が順調に伸びて従業員や利益が拡大してきた時に、税理士と相談して法人化するとよいでしょう。

個人事業として届出する場合、「必ず届け出る必要があるもの」と「税務上優遇されるためや節税対策として任意で提出するもの」があります。

税務上の優遇を受けるためや任意で提出するものは、提出期限を過ぎると開業年度からの適用がされなくなる場合がある為、提出期限は厳守しましょう。

■個人事業で必ず提出するもの

個人事業主(院長)の「納税地」を管轄する税務署が「所轄税務署」となります。
納税地は院長の①住所地、②居所地、③動物病院所在地で選ぶことが出来るので、その選んだ場所を管轄する税務署に届出します。

●個人事業開(廃)業届出書・・・所轄税務署に事業開始から1ヶ月以内に提出します。
●個人事業開始申告書・・・都道府県税事務所、市区町村役場に開業後速やかに提出します。

■税務上の優遇を受けるためや節税対策のための任意提出するもの

利益を得る為に事業開始するのですから、節税対策や税務上の優遇を受けるための届出は必ず行いましょう。

① 青色申告承認申請書
② 青色事業専従者給与に関する届出書
③ 減価償却資産の償却方法届出書
④ 棚卸資産の評価方法の届出書
⑤ 給与支払事業所等の開設届出書
⑥ 源泉所得税の納期の特例承認申請書
⑦ 消費税課税事業者選択届出書
⑧ 消費税簡易課税制度選択届出書
⑨ 消費税課税期間特例選択届出書
⑩ 所得税(消費税)の納税地の変更に関する届出書

これらの届出書は院長自身が作成して提出しても何ら問題はありません。
ご自身で作成する場合は、費用が全く掛かりませんから勉強しながら作ることも可能です。

しかし、開業後の集客や診察、治療に専念するためには、開業スケジュールの段階でこれらの書類の作成について税理士やコンサルタントとこまめな打ち合わせをし、院長が出来る事、専門家にお任せすることを仕分けしましょう。

動物病院開業に向けては、院長にしか出来ないことがたくさんあるのですから。

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