動物が大好きだから、その命を守る獣医になりたい。
馬や牛、家畜動物の育成に携わりたい。
ペットブームだから動物病院を開業すれば儲かりそう。
親が獣医だから、継がなければいけない。
獣医師になりたい理由はそれぞれでしょうが、獣医師になるには国家試験に合格する必要がある為、安易になれるものではありません。
■ 6年生の獣医学科に進学するのも狭き門!
獣医師になる為には、6年生の獣医学科を持つ大学に進学することが必須です。
獣医学科は、全国でも16大学にあるだけなので、この16大学に入学するだけでも、大変な倍率の狭き門となっています。
高校を卒業すると、普通の大学進学と同じように受験します。
16大学には鳥取大学や岩手大学など国立大学から、北里大学や麻布大学などの私立大学とあります。
国立大学は研究に、私立大学は直接動物を診る臨床に強いなど、それぞれの大学によって特徴がある為、どのような獣医師を目指すのかで入学する獣医学科を選ぶことになります。
しかし、どの大学も志望者が多く入学するのに的を絞りすぎるよりも、併願して入学のチャンスを広げる方が、獣医師になる為の最初の関門を突破することになります。
入学すると6年間の専門コースで、動物に特化した解剖学、生理学、免疫学、病理学、細菌学、伝染病学、薬理学、麻酔学、繁殖学などにプラスして実習、食品衛生学と大変幅広く学ぶ必要があります。
6年次になり「獣医師国家試験」を受験して合格したら、晴れて獣医師の免許を取得することになります。
■ 動物病院以外の獣医師の仕事先
獣医師資格を取得して、すぐに自分の動物病院を開業する事はほぼありません。
資格取得の為の実習と、実際の動物医療の現場は異なります。
また、獣医師のほとんどが動物病院を開業するわけでは無く、獣医師資格を生かしたその他の仕事に従事することも少なくありません。
獣医師の仕事先としては、次のようなところになります。
① 動物病院の勤務医になって経験を積んで、将来自分の動物病院を開業する
② 動物園や水族館
③ 公営競馬で獣医師として働く
④ 輸入動植物の検査(厚生労働省、農林水産省などの国家公務員)
⑤ 家畜保健衛生所(地方自治体の公務員)
⑥ 食品衛生検査所(地方自治体の公務員)
⑦ 動物愛護センター(地方自治体の公務員)
⑧ 動植物の研究施設の研究員
⑨ 製薬会社など
■ 動物病院の獣医師に求められる能力とは?
獣医師資格を取得しても、動物が好きであっても、どうしようも出来ないのが動物の言葉が話せないことです。
笑い事ではなく、飼い主と同じように獣医師も言葉を話せない動物のわずかな反応や動きから、動物の状態や気持ちを読み取ることが大切なのです。
資格取得しても毎日いろいろな病気や新しい治療法、薬などの情報を得る努力と勉強していく必要があります。
新しい知識を治療に役立てると同時に、飼い主に分かりやすく診断結果や治療方法を話して、安心してもらう事、飼い主との信頼関係を築くコミュニケーション能力も獣医師に欠かせないポイントになります。