動物病院の経営を失敗する原因は何?

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独立開業、起業ブームから個人事業主の成功が本やマスコミに取り上げられます。
会社勤務に嫌気がさしている若者から定年後の高齢者まで、自分のやりたい事で成功したいと起業して個人事業主になるのです。

誰もが成功すると信じて起業しますが、事業を続けるには大変厳しいのが現実です。

動物病院を含む個人事業主の廃業は、1年後には27%、3年後に62%、そして10年後には88%が廃業しているのです。

動物病院の経営が失敗するケースを、あげていきましょう。

■開業時から高機能医療設備を充実させた結果

新規開業する院長の方針で、高度な診断機器や検査機器、医療機器の設備を充実させて専門的な分野で診断、治療を出来るように開院しました。
すべての設備を含めると2000万円ほどになり、リース契約をしたことで開業当時は経費の支払いが楽だと感じていました。
しかし、予測した患者数(来院数)は伸び悩み、医療収益が延びません。そうなると、リース料の支払いが重くのしかかり、1年後には生活費も足りない状況になってしまいました。
用意していた運転資金から数百万円を支出することになり、運転資金は残り100万円を切る厳しい状況になっています。

新規開業した動物病院の獣医師の知識や技術が分からないのに、専門的な分野の診断に来院しようと考える飼い主は多くないでしょう。

この動物病院の失敗は、来院患者数の予測と設備投資の差を大きく見誤った結果です。
経営とは、持続しなければならないのです。

■立地選定と賃貸物件を安価にした結果

周辺に競合する動物病院が数件あり、目立つところで開業しています。
その中で生き残るためには、幹線道路沿いの目立つ看板や他の病院と差別化した外観などで、患者を誘導しなければなりません。
しかし、立地調査や建物を安価にした為、生活道路沿いであっても寂しくて建物も古く暗い感じの病院になってしまいました。
経費が安く済んでも外観やイメージが悪いと患者は来ません。明るく清潔感があり、行ってみたいと思う建物である事が大事な要素になります。

立地や物件選びは、院長や家族が気にいる事も大事ですが、開業コンサルタントなど第三者の意見やチェックを受けることで、開業の失敗を防ぐことができるのです。

■集患に広告宣伝費を使わなかった結果

地元出身で知り合いや人脈があるから、宣伝は必要ないと言った院長は、開業時にチラシを周辺に5000部配っただけで、その他の広告宣伝費は一切使いませんでした。
当然ですが、開業後1日に2、3人の患者しか来院せず、全く来ない来院0の日も多くなり、活気のない病院内は、暗く設備も手入れされず、清掃も行き届いていない状況です。
患者が来なければ経費にお金を掛けることも出来ず、結果患者はもっと来なくなります。

公務員として獣医をしていた院長が、経営に積極的で無い結果です。

動物病院を開業して、周辺に知ってもらうためには、ホームページやパンフレットなど、コンスタントに宣伝をすることが欠かせません。

定年後のんびりゆっくりと過ごす為に動物病院を開業するのは、院長のライフプランと動物病院の獣医に求める患者のニーズがまったく異なっているケースでしょう。

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