動物病院を新規開業するときは、物件探し、事業計画書、医療機器の準備、融資申し込みなど多くの準備が必要です。準備アイテムの中には官公庁に提出する多くの届出もあります。重要アイテムである届出について、何をいつ準備すべきかをポイントとともにお伝えしていきます。
税務署関係に提出すべき届出とは?
税務署に提出すべき届出はこちらになります。
・個人事業開業届出書
→事業開始日から1カ月以内に税務署へ提出マストです。
・事業開始等の届出書
→県税事務所への届出書です。市役所でもらえます。所得税は税務署へ納付するのに対し、県税事務所へは個人事業税を納付する必要があります。事業開始等の届出書は個人事業税用の開始届になります。
・所得税の棚卸資産の評価方法の届出手続
→確定申告期限までに税務署へ提出しておきましょう。2月16日~3月15日までが法人化していない動物病院の確定申告期間となります。例えば、2017年の1月に新規開業したとしましょう。確定申告期間は2017年の2月16日からではなく、2018年の2月16日~3月15日までの期間となります。開業すれば、事業年度があります。
個人事業主の場合は毎年1月1日~12月31日までとなり、12月31日が決算日となります。開業時の事業年度は例えば、8月に開業すれば、初年度の事業年度は8月1日~12月31日までとなります。
他には、「所得税の青色申告承認申請書
などもあります。事業開始から2か月以内に提出しましょう。専従者給与を経費にできたり、65万特別控除や赤字の3年繰り越しなどのメリットを受けられたりするのは青色申告者だけです。ですが、最初から複式簿記で記帳していかなければいけないので、スキルも必要です。ですが、最近は簡単入力システムもありますので、入力に関しては初心者でも可能です。
家畜保健衛生所や県知事などへの届出は?
・飼育動物診療施設開業届出
→開設後10日以内に添付書類とともに提出する必要があります。添付書類としては、動物病院の平面図、獣医師免許証、法人で開設するなら定款、エックス線装置を設置する場合、「エックス線設備に関する構造設備概要書」なども必要です。
開設する都道府県によって添付書類は違いますので確認する必要がありそうです。提出方法は、窓口持参です。10日以内に提出できない場合は、遅延理由書が必要な都道府県もあります。
労働保険関係の届出は?
動物病院を新規開業するばあい、従業員への安全面では労災保険に加入する必要がありそうです。また、従業員の退職後の失業期間の給与手当となる雇用保険への加入も必要です。労災保険と雇用保険を合わせて、労働保険といいます。
【労働基準監督署へ提出するもの】
・労働保険関係成立届出書
→従業員を雇用した日から10日以内に提出する必要があります。
ほかには、「概算保険料申告書」などの提出も必要です。この場合、従業員の雇用日から50日以内でいいようです。
【ハローワークへ提出する届出】
・雇用保険適用事業所設置届
→労働保険関係成立届出と同じく、従業員の雇用日から10日以内の提出が必要です。労働保険関係成立届出の控えを添付して提出する必要があるようです。
・雇用保険被保険者資格取得届出
→従業員が雇用保険に加入するために必要な開始書類です。雇用の日の翌月10日までに提出しておきましょう。
税理士に顧問契約をしておけば楽?
届出書類は準備するだけでなく、記入捺印などもする必要があります。開業後はとにかく忙しいので動物病院の業務に集中したいなどする場合は、税理士と開業前に顧問契約を結んでおくのも1つです。
開業後の月次決算についても準備してもらえるので、一度相談されてみることもおすすめします。