開業前に知らないと損する「個人事業主の開業費」

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獣医師の免許を取得すると、既存の動物病院に勤務しながら、自分の動物病院を開業する為の経験を積み、理想の動物病院に夢を馳せます。

自分の動物病院を開業する事は、獣医として全力で動物の命に向き合うことですが、実際には事業として利益を追及しなければなりません。

動物病院の多くは、院長が個人事業主になっての開業です。
開業までの準備期間には多くの費用が掛かりますが、この費用をしっかりと管理しておくことが、開業後に大きな節税になります。

■開業してからでは遅い「開業費」を把握すること

個人事業主として動物病院を開業するには、税務署に「開業届」を提出する必要があります。その開業届に記載している日付(開業日)より前に支払った経費を「開業費」と言います。

この日付が重要になるのですが、開業の為に必要な費用なので、領収証の日付が開業日以前になっていなければなりません。

開業後に振り返って、使った経費を書きだしても証明する領収証や明確な日付の記載、何に使ったかが把握できないと、「開業費」に計上することは出来ません。

「開業費」は、開業後に繰延資産として計上することで「任意償却」できるので、課税所得(利益)が見込まれる時に、償却することで節税になるのです。

この税務上の処理を事前に知っていることで、開業前から節税対策が出来るのです。

■個人事業主の「開業費」の把握と管理

個人事業主が動物病院の開業準備に入ったら、契約する税理士や会計士の支援や指導が欠かせません。

「開業費」や会計処理について知識のある獣医師は少ないでしょうから、税務のプロが利益を生む経営を開業前から指導するような関係を築かなければなりません。

開業に必要な支払いであると認められる費用を、税務署に認めてもらう為には情報がはっきりとしている事(領収証、日付、何の支払いか)が必要です。

個人事業主になる前(開業前)に知ることで、かかった経費の領収証をまとめて管理し、集計一覧などを作成することで、開業後の「開業費」計上が抜かりなく処理できます。

■「開業費」の適切な処理は事前の税理士相談から

動物病院を開業してから税理士や会計士の顧問契約をするよりも、開業に向けてアドバイスしコンサルタントとして導いてくれる専門家が必要です。

個人事業主になってからでは遅い「開業費」は、事前に院長を加えて周知徹底することで開業費として認められる支払を、余すことなく把握して必要な領収書などの保管、管理を指導してもらう事が大切です。

面倒であったり、「これぐらいいいや」と自己判断で開業費に含めなかったり、管理がうまく出来ていないと、開業後の納税に節税出来るものも出来なくなります。

開業前から「開業費」について把握することで、動物病院の経営に真剣に向き合う姿勢が固まってくるでしょう。

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