動物病院でも経理の基礎は同じで、普通の事業所得と「その他の事業所得」と何ら変わることはありません。
普通と異なるのは、「カルテ」の管理が、かなり大変になるということです。
現在は、経理処理も会計も専用ソフトをパソコンに入れて、その場で処理していくので、以前のような帳簿や帳票を必要とするような経理処理は、少なくなっています。
また、動物病院開業の段階で税理士事務所などと会計・税務サポートの顧問契約をしている場合がほとんどですから、不明な点は担当税理士に尋ねるのがよいでしょう。
■ 毎日の現金残高を必ず合わせよう!
動物の診療費や処方薬の支払いは、毎回診療ごとに行われます。
診療明細書の代金をその場で飼い主が現金支払いするのが基本ですが、最近ではクレジットカードの使用が出来るところも増えてきています。
動物病院側とすれば、手数料を取られるクレジットカードの使用は出来れば避けたいところですが、飼い主が治療代金を十分に持っておらず、全額の支払いが出来ず、未収金が残ったままになる場合もあります。
そのまま連絡が取れないと病院は、とりっぱぐれたことになり、このような飼い主が数人でもいると売上に影響します。
それよりも、お金が足りない時に「クレジットカードも使用できます」と言われると、安心してカード支払いを選択します。
少しの手数料を勿体無いとケチることで、大きな損失につながることも有るので、現金支払いだけにこだわらない努力が必要になります。
しかしながら、基本は現金払い。
動物病院では、毎日多額の現金が動きます。
パソコンが連動しているレジスターもありますが、診療明細書の金額と現金入金、未収金(カード支払含む)の照らし合わせ、現金管理は非常に大切な仕事で、毎日必ず現金合わせを行います。
また、多額の現金を院内に置かないようにして、こまめに銀行に入金することが大切です。
■ 毎月の税理士の定期訪問で経営状態を把握しよう
顧問契約をしている税理士は必ず定期的に訪問して、経理・会計処理から帳簿のチェックや月次処理、経営状態の分析、管理、指導を行います。
日々の経理処理は、会計ソフトに従ってパソコンに入力することで終了します。
経理処理で貸借や勘定科目が分からずに入力できない場合や、どのような処理をすれば良いのか迷ったときには、経理の分かる人か税理士に相談して判断してもらいます。
毎月の経理処理を月次と言いますが、月次を1年間重ねたのが年次となり決算になります。
定期訪問の度に、税理士は獣医師の先生に月次の報告をして、経営状況や予測される決算時の予測を立て指導、サポートを行っていきます。
決算の税務申告書の作成や申告は、税理士が行うことも有りますが、納税は経理責任者が行います。
■ 税務相談は院長から税理士に!
動物病院も一つの事業所なので、多くの税金関連の申告や納税があります。
税金対策や節税も含めた問題として院長が把握していなければならない為、税理士の報告や経営管理を密に行ってもらい、経営状態の分析やアドバイスをもらって、顧問契約している以上の有効活用を税理士に期待しましょう。
税金には、事業所としての税務処理と、院長を含めたスタッフの所得税、住民税などの預かり金を納めなければなりません。
納税や申告については、よく理解する必要があります。