大学で必死に勉強して獣医師となっても、実はそこからがスタートラインで様々な困難が待ち受けています。獣医になったけれど知識や技術が足りていない、飼い主とのコミュニケーションに不安がある、残業が多くて家族との時間を確保できない等といった悩みがある事でしょう。
学生時代に自分が考えていた獣医師としての仕事と現実との間にギャップを感じる方も少なくありません。獣医師は仕事をしていく中でどのような事に苦労を感じるのでしょうか?
○仕事ができなくて悩む
獣医師もひとりの人間ですので、最初から仕事を完璧にできる人なんていません。大学で勉強してきた事と実際の臨床で要求されるスキルは別物です。仕事のできる先輩や同僚と比べしまい、自分のスキルのなさを感じてしまう事もあるかもしれません。
普通に仕事をしていれば1~2年で成長し、新人の頃に出来なかった事も徐々にできる様になり、自信もついてくるので心配はいりません。
○経営と臨床の方向性の違いに戸惑う
獣医は動物や飼い主のために全力を尽くせばよい仕事なのかと言われば、そうではない部分もあります。獣医はサービス業であり、飼い主からお金を頂くことで初めて病院経営が成り立ちます。
「動物を助けたい」「飼い主の気持ちに寄り添いたい」という気持ちだけでは仕事を続けていく事はできません。なかには必要がないと思う処置を勧めたり、高額なサプリメントを売らないといけない場合もあります。この様な自分の仕事に対する気持ちと病院の経営方針とのギャップで戸惑う獣医も少なくありません。
○仕事が忙しい
どの業界でもそうですが、仕事が忙しくて残業ばかり続いている。診察が終わらないので昼ご飯も食べる事ができないという悩みもあるようです。この背景には、獣医や動物看護師などのスタッフが足りないために診察が追いつかないという実情があります。
ペット業界全体の景気が下振れし、収入も減少傾向にあるため、人材不足も大きな問題となっています。
○給料が上がらない
ペット業界の景気下振れ、動物病院の乱立により、獣医師といっても収入が高くないということも悩みのひとつに挙げられます。特に勤務医であれば、頑張って仕事をした分だけ給料が上がるという事はほとんどなく、毎年の昇給も微々たるものであるため、将来に不安を感じる獣医も多いのが現実です。
このように獣医は一般企業に勤める方と同じ様に残業などの労働時間や収入面といった悩みを抱えている様です。