動物病院に訪れる子犬などの動物は、2008年くらいから減少しています。人口減少にともない、ペット数も減少する一方、高度な医療技術を求める飼い主も増えています。動物病院のマネジメント次第で仕事の能率があがるポイントをお伝えします。
売上げはマネジメントにかかっている
動物病院を開業した当初は、来院数に伸び悩むこともあります。ひどい日は1日中、ペットがくるのを待つだけの日も。そんな日が続くとせっかく購入した高いお薬など、在庫倒れにならないかと心配にもなります。しかし、そんな時こそチャンスだと思わなければいけません。
・ペットが来院しなければ、こちらから伺う
そうはいいましても、院長と看護師さん2人が、散歩中の飼い主に突然話しかけるのは少し抵抗を感じる飼い主さんもおられるかも知れません。そこでおすすめは、看板犬はじめペットを飼うことです。
・ペットを飼っている人は犬も好き?
おすすめは柴犬(豆シバもOK)、紀州犬など日本の素朴な毛並みの犬がおすすめです。従順だからです。訓練学校でしつけされた看板犬を受付に配置させることで、受付がなごやかになりますし、防犯にもなります。従順な看板犬であれば、来院客がくれば、ワンワンと知らせてくれることもあります。
来院数が少ない時期は、看板犬を連れてご近所を散歩し、道すがら出会う飼い主さんに、新しい動物病院ができたと知らせることが必要です。そのために、パンフレットも準備してお散歩に日々出かけることになります。もちろん、声掛けは予防接種の案内が名目です。そうすれば、啓蒙活動にもなります。受付にスペースがない場合、小さなスペースで飼えるペットでもいいでしょう。獣医さんの好感度もあがります。
一般的に、家から近い動物病院に通いがちですが、あえて院長先生や看護師さんから、パンフレットをもらえば、何かペットに起こった時に、きっと相談の電話がかかってくるはずです。
スタッフとコミュニケーションがとれているか?
3カ月を過ぎたあたりから、動物病院へのペット来院数が増えてきます。院長、看護師、受付の仕事はハッキリ区分しているから安心だと思っているのは院長だけです。特に、受付は会計やお薬の処方など看護師と連携し、飼い主さんとコミュニケーションを図らなければいけませんので、かなりストレスフルな状態になっているはずです。
看板犬には癒されるとしても、院長は獣医師で経営者でありつつも、スタッフの上司でもあります。スタッフが毎日やる気をもって頑張れるように、時にはミーティングの機会を設けること、飼い主だけでなくスタッフの話も聞き、問題の表面化、対策、解決とつなげていくことができる雰囲気づくりも重要なポイントです。
BGMは意外に効果的なマネジメントアイテム
動物病院への来院数が多い日などは、ペットであふれかえり、ペットの鳴き声だけで院内はにぎやかな日もあるでしょう。ですが、BGMは意外に仕事をはかどる有効なアイテムなんです。音楽は飼い主の心を癒します。もしかしたら重病なのかも知れないと心配する飼い主さんや、診察台の上で怖がらないかなと心配されている飼い主さんは、表面的にはペットに癒され笑顔ですが、実はストレスフルなのです。
音楽によって、診察の間、ペットが怖がらないよう飼い主が落ち着いていればペットもおとなしくなりますし、獣医師もペットを飼い主におさえておいてもらう必要も減りますので仕事の効率があがります。
医療の質の向上だけでなくマネジメントを最初から意識するのがポイント
開業当初は、いかに医療技術を向上させるかだけに意識がいきがちです。ですが、院内のスタッフとのコミュニケーションはじめ、飼い主へのケアなどをすることで、院内の緊張がほぐれ雰囲気がよくなり、リピーターも増えるのではないでしょうか。