動物病院を経営していく上で最も脅威となることは事故などのリスクでしょう。動物というなかなか指示に従ってもらえない生き物を相手にするため、動物病院は予期せぬ事故が非常に起きやすい業種といえます。
このような事故に対して、リスク対策のマニュアルを作成することや、スタッフでカンファレンスを開くことが対応策といえますが、それでも事故が起きてしまうことはあります。もしもの時のために、賠償責任保険には必ず加入しておきましょう。
○動物病院で起きやすい事故
賠償責任保険が適用となる事故はどのようなケースがあるのでしょうか?
①診療業務に関する事故
●明らかなスタッフのミスにより動物がケガまたは死亡してしまった。
●治療中に誤って動物を診察台の上から転落させてケガまたは死亡させてしまった。
●手術の際、何らかのミスにより後遺症が残ったまたは死亡させてしまった。
●入院やペットホテルでお預かりしている動物を散歩に連れて行った際、スタッフの注意不足により通行人に噛み付いてケガをさせてしまった、動物がケガをしてしまった。
●入院やペットホテルでお預かりしている動物が管理ミスにより逃走してしまった。それにより、通行人にケガをさせてしまった。
●入院やペットホテルでお預かりしている動物が管理ミスにより他の動物とケンカしてケガをしてしまった。
●衛生面の管理が不十分であったため、感染症に羅漢してしまった。
②動物病院の施設や管理上の事故
●物品が倒れて動物にケガをさせてしまった。
●医療機器から出火して動物が死亡してしまった。
●医療機器の保守点検を怠ったため、その医療機器を使用して動物が死亡してしまった。
③事業活動へのリスク保障
●火災により建物の一部が焼け崩れてしまった。
●医療機器が泥棒に盗まれた。
●台風などの災害により建物の一部が損傷した
④休業補償
●災害により動物病院を運営できず、休院しなければならなかった。
○考えられるリスクによってプランを決める
このようなリスクから獣医師やスタッフを守るため、ほとんどの動物病院は賠償責任保険に加入しています。
獣医師個人や動物病院向けの損害賠償保険を取り扱っている保険会社はいくつかありますが、保障内容によってプランや値段が異なります。予測されるリスクに合わせてプランを選びましょう。