動物病院を開業するにあたり、様々な手続きをする必要があります。サラリーマンとして企業に勤務している給与所得者から動物病院を経営する個人事業主となります。
例えば、診療やサプリメント販売などから発生した収入から経費を引いた「利益」は事業所得として扱われるため、所得税や個人事業税が課税されます。
また、課税対象となる売上に対して課税される消費税から、課税対象となる仕入金額に対して課税される消費税を引いて、残りの金額が発生した場合には、消費税申告書の提出と納税をする必要があります。
所得税と消費税の納付は税務署に、個人事業税はそれぞれの都道府県税事務所に納付します。よって、それぞれの事務所に対して個人事業主として動物病院を開業しましたということを報告する必要があるのです。
税務署に提出する届出を個人事業の開廃業等届出書、それぞれの都道府県税事務所へ提出する届出を個人事業税の事業開始等申告書といい、一般的にいわれる「開業届」に該当します。
○動物病院の事業主が納める主な税金
企業で勤務していれば、企業がやってくれていた税金の支払い手続きですが、動物病院の個人事業主は基本的に全て自分で行う必要があります。消費税は開業してからすぐに納める必要がないため、最初の年は個人事業税と住民税、国民健康保険税の3種類の税金となります。
①所得税
申告の義務があります。収入から必要経費を差し引いた額を所得額といい、この所得額か所得控除などの控除額を差し引いた額を所得税として申告します。この所得税を計算する方法には大きく2種類があり、1年間の総所得金額に定められた税率をかけて税額を算出する総合課税です。
動物病院などの個人事業主は給与所得、事業所得、雑所得などがこの方法で計算します。もうひとつは分離課税といって所得に対して異なった個別の税率を掛けて計算する方法で、利子所得や退職所得などが該当します。
②消費税
申告の義務があります。動物病院などの個人事業主の場合は売上が1000万円を超えた翌々年から納税をする必要があります。
③個人事業税
申告の義務はありません。法律で定められた業種(約70種類)に対して課税される税金です。所得税のように申告してから税金の額が決まるのではなく、自動的に税務署などが計算して納税通知が送付されます。
④住民税
申告の義務はありません。確定申告の金額をもとに都道府県や市町村が住民税を算出して納付書が送られてきます。それぞれの都道府県や市町村によって税率が違います。
⑤国民健康保険税
国民健康保険に加入している世帯主が支払います。所得によって金額が変わります。また、40歳になると介護保険料を支払う必要があります。