動物病院の開業前に知っておきたい税金についてお話します。
まず勤務医の時には勤務先から所得税や住民税については源泉徴収されていたかと思いますが、開業すれば税金の申告は自分で行うことになります。
ただし個人か法人かで支払う税金の種類が若干異なることに注意しましょう。
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動物病院にかかる税金の種類
個人事業主として経営していく場合の税金の種類は、所得税と消費税、地方税は住民税と事業税、さらに地方消費税が種類として挙げられます。
法人で経営していく場合には個人が納付していた所得税が法人税に変わります。
・所得税
個人の所得に対して課税される国税
・法人税
法人の所得に対して課税される国税
・消費税
国内販売やサービス提供、輸入貨物に対して課税される国税
・地方消費税
国内販売やサービス提供、輸入貨物に対して課税される都道府県税
・住民税
住んでいる地方自治体が行う行政サービスに必要となる費用を負担し合う性質の税金で、個人だけでなく、法人も納付する必要がある税なので個人住民税と法人住民税があります。
住民税はさらに市町村民税(東京23区は特別区民税)と道府県民税(東京都は都民税)とに分けられます。
・事業税
道路や公共施設の利用など公共サービスを受けていることに対して経費の一部を事業者が負担することを目的とする都道府県税で個人事業税と法人事業税があります。
会計上と税務上の計上の違いに注意
会計上で収益と費用に該当する部分としては、所得税では収入金額と必要経費、法人税では益金と損金です。
注意したいのは会計上で収益や費用として計上していたものなのに税務上は認められないことがあることです。
会計では費用で計上していたものが必要経費や損金として認められなければ所得が増えることになるので納税額は増額します。
会計と税務の取り扱いの違いについては理解を深めておく必要があるでしょう。
消費税の申告について
消費税はこれまでは買い物の際に支払う税金という認識だったものが、開業することで申告により預かった消費税を納付するという必要が出てきます。
申告に馴染みがない税金になるため、どのような計算方法かを理解しておきましょう。
消費税の算出方法は2種類
例えば薬品会社から医薬品を1万円で仕入れた場合支払う消費税は800円です。
その後診療と薬代金としてペットの飼い主さんから5万円とその消費税分4千円の合計5万4千円を受け取ったとします。
この2つのケースだけで見た場合、税務署に納める消費税額は4千円から800円を差し引いた3,200円になります。
ただし実際の消費税の算出方法は複雑で、原則課税による計算式、もしくは簡易課税による計算式を用いて計算することになります。
・原則課税による計算式
消費税納付額=課税売上に係る消費税額-課税仕入等に係る消費税額(実額)
・簡易課税による計算式
消費税納付額=課税売上に係る消費税額-課税売上に係る消費税額×みなし仕入率(50%)
※みなし仕入率とは業種別に決められた割合により消費税額を簡易的に算出するために設けられたもので、動物病院はサービス業に該当するため50%と決まっています。
開業すると様々な税金の係ることになる
どうぶつ病院を開業すると様々な税金が関係するようになりますが、個人で経営していくのか、それとも法人かによって納付する税金の種類には若干違いがあります。
また、必要経費などの計上についても会計上と税務上では違いがあることを理解しておきましょう。